第14回 労働法改正の動向にちなんで
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2006-04-21 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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◇契約社員の期間争点、優良人材が正社員に
今回の改 正草案の主な争点は、(1)契約社員の契約期間拡大(2)アウトソーシング(業務の外部委託)(3)解雇(4)退職金(5)最低賃金(6)違法ストライキ -となっております。リクルート会社という業種柄、契約社員やアウトソーシングといった雇用形態の問い合わせが多いのですが、特に時間によって生産量が変 動する製造業の中には、「繁忙期にアウトソーシングが使えると助かる」とか、「本当はアウトソーシングを使いたいのだが、現状では法的にはっきりしないと ころがあるので使えない」とか、法律の改正に期待している方も多いのではないでしょうか。
以前にもお伝えしましたが、「解雇」は最も難 しい問題です。日系企業の間でも「一度正社員にすると解雇するのが大変!」と受け止めている方が多く、「まずは契約社員で雇い、パフォーマンスが良かった らその後、正社員採用にする」という求人依頼が多いことからも、各企業の慎重な姿勢が伺えます。
一方、求職者はあらゆる面で保障されて いる正社員採用を望み、実際に弊社の求職登録者のほとんどが雇用形態にこだわっています。当然のことながら労働者側は「改正により、契約社員の期間が延長 されたり、アウトソーシング規定が暖和されたりすると、会社側が正社員にしない可能性を増やすだけだ」と反論しています。
立場上、労使 双方の主張が違うのは当たり前ですが、企業の担当者から「契約社員で良い人材は契約終了後、正社員採用にする」「優秀な人材は長く働いてほしい」との声を お聞きするたびに、問題は契約期間などではなく、“人材”そのものと感じます。労働者の自己努力、あるいは企業の教育環境によって能力が高められること で、雇用形態も変わるのではないかと思われます。
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2006-04-21 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第14回 労働法改正の動向にちなんで
4月に入って連日のようにデモのニュースが入ってきます。労働法(2003年第13号)改正草案に反対する労働者が中心になってデモを起こしているそうで す。労働法の改正をめぐっては、政労使3者協議が行われても労働組合が改正草案に難色を示し、物別れしているそうで、4月中の法案国会提出が延びていま す。現行の労働法に関しても、成立・実施されるまで労使双方の反対で数年かかったと聞いておりますので、今回も時間がかかるのでは…と思ってしまいます。 企業の採用担当の方々との会話の中でも、「労働法は本当に改正されるのか?」「労働法が改正されれば、少しは雇用しやすくなるのだろう」などとホットな話 題になりますが、皆さん、比較的冷静にみている印象を受けます。◇契約社員の期間争点、優良人材が正社員に
今回の改 正草案の主な争点は、(1)契約社員の契約期間拡大(2)アウトソーシング(業務の外部委託)(3)解雇(4)退職金(5)最低賃金(6)違法ストライキ -となっております。リクルート会社という業種柄、契約社員やアウトソーシングといった雇用形態の問い合わせが多いのですが、特に時間によって生産量が変 動する製造業の中には、「繁忙期にアウトソーシングが使えると助かる」とか、「本当はアウトソーシングを使いたいのだが、現状では法的にはっきりしないと ころがあるので使えない」とか、法律の改正に期待している方も多いのではないでしょうか。
以前にもお伝えしましたが、「解雇」は最も難 しい問題です。日系企業の間でも「一度正社員にすると解雇するのが大変!」と受け止めている方が多く、「まずは契約社員で雇い、パフォーマンスが良かった らその後、正社員採用にする」という求人依頼が多いことからも、各企業の慎重な姿勢が伺えます。
一方、求職者はあらゆる面で保障されて いる正社員採用を望み、実際に弊社の求職登録者のほとんどが雇用形態にこだわっています。当然のことながら労働者側は「改正により、契約社員の期間が延長 されたり、アウトソーシング規定が暖和されたりすると、会社側が正社員にしない可能性を増やすだけだ」と反論しています。
立場上、労使 双方の主張が違うのは当たり前ですが、企業の担当者から「契約社員で良い人材は契約終了後、正社員採用にする」「優秀な人材は長く働いてほしい」との声を お聞きするたびに、問題は契約期間などではなく、“人材”そのものと感じます。労働者の自己努力、あるいは企業の教育環境によって能力が高められること で、雇用形態も変わるのではないかと思われます。
時事速報インドネシア便掲載