第22回 採用時の給与交渉
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2007-01-26 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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◇「転職=昇給」の傾向、テストで能力把握を
転職率が高いインドネシアでは、「転職=キャリアアップ=昇給」と考える志向がとても強く、それをモチベーションとしている者も多く、昇給に納得、満足し なかった従業員がより良い待遇を求めて退職、転職する傾向がこの時期にあります。「根拠や理由付けもなく、めちゃくちゃな要求をしてくる」と労務担当者が 頭を悩ませることもよくあるようですし、従業員が「他社から現在の給料の倍額で声が掛かっている」と転職をにおわせ、昇給交渉をしてくることもよくあるよ うです。冷静な判断が必要になりますが、採用時にも同じことが言えます。
面接時に希望給料を尋ねたら、現在の給料より2倍もの金額を要 求されたり、履歴書に書いてある希望給料以上の金額を言われて驚いたという話をよく聞きます。「日本人にとってネゴと言えばプラスもマイナスもあり得る が、インドネシア人の場合、希望給料にネゴ可能とあっても希望金額より低くオファーすると、必ずといってよいほど断ってくるので、あれはネゴ可能とは言え ないよ」とおっしゃるご担当者もおりました。
某企業では、これまで採用の際はテストなど行っておらず、面接のみで採用していたそうです が、履歴書に経験が豊富に書かれていても、面接時に「これもあれも知っています、できます」とアピールしても、実際に働き始めると全く知識がなく、試用期 間中に雇用継続をあきらめることが多かったそうです。
特に経理スタッフについては基礎知識が必須ということで、面接時に会社独自でテス トを実施することにしたそうです。先日も数人を面接した中で、履歴書だけを見ると経験が豊富で希望給料も1番高かった候補者のテスト結果が1番悪かったそ うで、担当者は、テストを実施するようになって1つの採用基準がクリアになって良かったとおっしゃっていました。
現場で最低限必要な技 術や知識については、事前にテストでチェックするのも効果的です。適性検査や知能指数(IQ)テストを行う企業も増えてきているようです。昇給や採用の際 には、査定方法や判断基準を明確にし、会社のポリシーを十分説明することも大切なことだと思います。
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2007-01-26 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第22回 採用時の給与交渉
1月1日といえば、インドネシアでは各地方政府が最低賃金引き上げを実施する日でした。日系企業の中には、日本の本社に合わせて4月に賃金引き上げを行う ところもありますが、ほとんどの企業が州・県・市の最低賃金の引き上げに伴い、1月に昇給を行います。多くの企業が最低賃金の引き上げ率を重要な目安とし て昇給率を検討します。最近は、これまでの勤続年数や年功序列的な評価制度よりも、各従業員の能力や成果報酬を重視する企業が増えてきているようです。◇「転職=昇給」の傾向、テストで能力把握を
転職率が高いインドネシアでは、「転職=キャリアアップ=昇給」と考える志向がとても強く、それをモチベーションとしている者も多く、昇給に納得、満足し なかった従業員がより良い待遇を求めて退職、転職する傾向がこの時期にあります。「根拠や理由付けもなく、めちゃくちゃな要求をしてくる」と労務担当者が 頭を悩ませることもよくあるようですし、従業員が「他社から現在の給料の倍額で声が掛かっている」と転職をにおわせ、昇給交渉をしてくることもよくあるよ うです。冷静な判断が必要になりますが、採用時にも同じことが言えます。
面接時に希望給料を尋ねたら、現在の給料より2倍もの金額を要 求されたり、履歴書に書いてある希望給料以上の金額を言われて驚いたという話をよく聞きます。「日本人にとってネゴと言えばプラスもマイナスもあり得る が、インドネシア人の場合、希望給料にネゴ可能とあっても希望金額より低くオファーすると、必ずといってよいほど断ってくるので、あれはネゴ可能とは言え ないよ」とおっしゃるご担当者もおりました。
某企業では、これまで採用の際はテストなど行っておらず、面接のみで採用していたそうです が、履歴書に経験が豊富に書かれていても、面接時に「これもあれも知っています、できます」とアピールしても、実際に働き始めると全く知識がなく、試用期 間中に雇用継続をあきらめることが多かったそうです。
特に経理スタッフについては基礎知識が必須ということで、面接時に会社独自でテス トを実施することにしたそうです。先日も数人を面接した中で、履歴書だけを見ると経験が豊富で希望給料も1番高かった候補者のテスト結果が1番悪かったそ うで、担当者は、テストを実施するようになって1つの採用基準がクリアになって良かったとおっしゃっていました。
現場で最低限必要な技 術や知識については、事前にテストでチェックするのも効果的です。適性検査や知能指数(IQ)テストを行う企業も増えてきているようです。昇給や採用の際 には、査定方法や判断基準を明確にし、会社のポリシーを十分説明することも大切なことだと思います。
時事速報インドネシア便掲載