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第75回 「不正について」
Author : セルナジャヤ 森
Posted: 2011-10-16 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第75回 「不正について」

 帳簿のごまかし、購買価格の水増しなど、企業経営のひずみによる不正のうわさを耳にすることがあります。主には組織的な犯罪によるものですが、会社の体質や不正が日常的に横行しているインドネシアの社会的な環境にもよるところが大きいようです。

 ◇不用品の取り扱い
 欠陥が生じた製品や部品、用途がなくなった中古品は通常、会社が適当な機関へ販売し、収益の一部とします。ただし、経営陣が多忙で手配をインドネシア人マネジャーに一任していたり、従業員を信頼するあまり管理をしていなかったなどの事情により、それら製品や部品が会社の知らない外の世界へ流出し、それに関わった社員が外部からのキックバックを得ているケースがあります。手口としては、会社へ偽の報告をし、計上されない部品を外部に流しているとのことです。
 とある日系メーカーでは、その損失額は年間数百万円にも及ぶことが判明しました。調べてみると、人事マネジャーを筆頭に、製造マネジャーなど様々なマネジャークラスが関与していたことが分かりました。会社としては内部の影響を考え、あえてそれら社員への注意や解雇処分は取らず、これまで主要なマネジャーに権限を与えていたものを経営陣が取り仕切ることになりました。その後、関与した社員の中には自主退職する者もいたようです。
 その後の調査では、マドゥラ人などが組織するマフィアが、各日系メーカーの部品を内部の社員から買い集め、闇市場やそれを求めるローカル企業へ販売し、その報酬として関連した社員へキックバックを手渡していたことも判明しました。
 また、深く関与していたとされるマネジャーは3軒の家と3台の高級車を保有し、自費でメッカ巡礼も行っていたことが分かりました。

 ◇社内での権力争い
 上記に登場したマフィアは各地に存在しており、それに会社の社員が絡んでいることや、時には日本人が絡むことも意外と多いようです。こうした不正は時に社内の派閥争いにも利用され、権限を持つ者が、日ごろ犬猿の仲にある社員や同僚に不正の疑いをかける、または経営陣へ不正のうわさを広めるなどし、当該社員へ半ば強制的に自主退職を迫るというケースもあるようです。この場合、告発した者は会社から絶大な信頼を得ることとなります。不正の疑いが出た以上、事実の有無に関わらず、会社は当該社員に対し冷たい姿勢を示すもので、それに対抗しようにも周りの目もあり、不本意ながら退職するということもあるようです。

 不正は管理の行き届かない部署で発生することが多く、特にメーカー企業では駐在として出向してきた経営陣の多くが技術畑出身のため、経理や購買、人事といった異なる専門分野は知識や経験の上で管理しづらいという点があります。また、不正をそそのかそうとする闇社会があることも助長し、当初抵抗を持っていた社員も、周りが豊かに暮らすのを目の当たりにし、悪いこととは知っていても次第に手を染め始めるようです。
 こうした不正は社員が組織的に関わっていることも多く、全てを取り除くことは困難とされますが、不正をしづらい環境づくりを心がける必要があるでしょう。
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