第15回 不正従業員の解雇
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2006-06-09 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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◇逆恨み嫌がらせ備え、会社規則の再確認を
トップ1の「解雇の手続きや法規則」では、特に不正行為の従業員の解雇を挙げていた企業が多かったそうです。これは、不正行為や重大な過失を犯した従業員 の解雇についても政府機関の承認が必要であったり、労働法に基づいて退職金を支払わなければいけないからでしょう。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中 でもインドネシアのみが、重大な過失行為による解雇の場合に政府機関の承認が必要だそうです。
某企業の担当者が、「不正行為や怠慢な従 業員を解雇する時は、根比べになる」とおっしゃった際に、特にインドネシアではそうかもしれないと思いました。就労日連続5日以上にわたり無断欠勤し、書 面で2回の呼び出しを受けた場合、自己都合退職とみなすことができる(労働に関する法律2003年第13号第168条)とありますが、「連続5日以上の無 断欠勤はせず、5日目には必す出勤し、それを数回繰り返した従業員がいた」と聞いたことがあります。また、解雇される方が自主退職より退職金が多くもらえ ると理解している従業員が、意図的に言うことを聞かなくなり、勤怠態度が悪くなった事例も聞いたことがあります。自主退職を促すため異動や減給、降格させ る例もよく聞いたことがありますが、これらの措置をとる際は明確な理由付けが必要で、データなど証拠となるものも準備することをお勧めします。
不正行為や怠慢な従業員に多額の退職金を払うのは理不尽だと思いながらも、そのような従業員たちには断固とした態度で解雇を検討するという企業がほとんど だと思います。ただし、解雇に納得しない従業員が労働・移住省に訴えたり、会社の不手際を見つけ、労働・移住省に通告するということもよくある話です。先 日も、解雇に納得しない従業員が、ほかの従業員に会社の悪口を言いふらしたり、脅したりしていたそうで、その従業員が出勤しなくなった途端、突然警察が日 本人駐在員を訪ねて、就労ビザなどいろいろとチェックを行っていったそうです。幸いその駐在員の方は何の問題もなかったそうです。
「解雇」に至るまでにはいろいろな理由があると思いますが、逆手にとられないように、企業側も会社規則や労働協約、法律をきちんと順守しているかなどを見直しすることも必要だと思います。
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2006-06-09 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第15回 不正従業員の解雇
2005年度の中小企業経営実態調査の報告によると、インドネシアでの労働問題のトップ6は、(1)解雇の手続きや法規則(2)退職金の算出方法(3)時 間外手当・長期休暇など労働処遇(4)労働者スキル(5)ビザ・労働基金など外国人技術者雇用問題(6)関係省庁職員の行動規範およびモラルだったそうで す。前回もお伝えしましたが、(4)(6)以外は労働法改正草案の主な争点となっています。◇逆恨み嫌がらせ備え、会社規則の再確認を
トップ1の「解雇の手続きや法規則」では、特に不正行為の従業員の解雇を挙げていた企業が多かったそうです。これは、不正行為や重大な過失を犯した従業員 の解雇についても政府機関の承認が必要であったり、労働法に基づいて退職金を支払わなければいけないからでしょう。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中 でもインドネシアのみが、重大な過失行為による解雇の場合に政府機関の承認が必要だそうです。
某企業の担当者が、「不正行為や怠慢な従 業員を解雇する時は、根比べになる」とおっしゃった際に、特にインドネシアではそうかもしれないと思いました。就労日連続5日以上にわたり無断欠勤し、書 面で2回の呼び出しを受けた場合、自己都合退職とみなすことができる(労働に関する法律2003年第13号第168条)とありますが、「連続5日以上の無 断欠勤はせず、5日目には必す出勤し、それを数回繰り返した従業員がいた」と聞いたことがあります。また、解雇される方が自主退職より退職金が多くもらえ ると理解している従業員が、意図的に言うことを聞かなくなり、勤怠態度が悪くなった事例も聞いたことがあります。自主退職を促すため異動や減給、降格させ る例もよく聞いたことがありますが、これらの措置をとる際は明確な理由付けが必要で、データなど証拠となるものも準備することをお勧めします。
不正行為や怠慢な従業員に多額の退職金を払うのは理不尽だと思いながらも、そのような従業員たちには断固とした態度で解雇を検討するという企業がほとんど だと思います。ただし、解雇に納得しない従業員が労働・移住省に訴えたり、会社の不手際を見つけ、労働・移住省に通告するということもよくある話です。先 日も、解雇に納得しない従業員が、ほかの従業員に会社の悪口を言いふらしたり、脅したりしていたそうで、その従業員が出勤しなくなった途端、突然警察が日 本人駐在員を訪ねて、就労ビザなどいろいろとチェックを行っていったそうです。幸いその駐在員の方は何の問題もなかったそうです。
「解雇」に至るまでにはいろいろな理由があると思いますが、逆手にとられないように、企業側も会社規則や労働協約、法律をきちんと順守しているかなどを見直しすることも必要だと思います。
時事速報インドネシア便掲載