第20回 「購買」もコスト削減のカギ
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2006-11-17 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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先日、2007年のジャカルタ特別州の最低賃金が前年比9.95%増の月額90万560ル ピアに決定されましたが、賃金は上昇する一方で、イントネシアの人材には“1人2人分”の仕事をこなすことを期待できず、現実には「人件費削減」=「コス ト削減」と思うようにいかない場合が多いのではないでしょうか?
◇取引先と価格水増し、監視強化で大幅効果
某大手日 系企業は、あらゆる手を尽くしてコスト削減に取り組み、数年かけて人員を大幅に削減しましたが、成果はさほど出ず、むしろ逆効果になっていると気付いたそ うです。最終的に「購買」に目を向け、購買資料を徹底的に隅々までチェックしたところ、次々と“偽りの価格”が発覚。グループ全体でそれらを照合すると、 その損害額は会社経営を揺るがさんばかりの巨額になっていたそうです。さらに突き詰めると、担当者が取引先と共謀して正規価格に水増しし、取引先の担当者 はその購買担当者からキックバックを得ていたことが分かりました。即刻、その購買担当者らを解雇し、高給で優秀な人材を新たに採用し、日本人も日ごろから 購買部を監視することにしました。この結果、人件費の削減以上に効率的に大幅なコスト削減に成功し、起きてはならない巨額損害に歯止めを掛けることができ たそうです。
別の某大手日系企業では、同じ材料が日本で購入するよりもインドネシアでは高く購入されており、「そんなことは有り得ない!」と憤慨した社長が自ら購買を監督し、あるべき購買の姿に指導されているという話も聞いたことがあります。
このように、インドネシアでは購買担当がサプライヤーと共謀して価格をごまかしていたなど不正の話がよくあり、「購買担当の信頼性」を悩みの一つとして挙 げる企業も多いのではないでしょうか? 実際に、購買担当者の求人依頼を受ける際には、経理や人事担当に次いで「信頼のできる人」「不正をしない人」「正 義感のある人」というリクエストをよくを受けます。
「ローカルの担当者だけには任せられない」と、日本から派遣された専門の駐在員や現 地採用の日本人を購買責任者として配置している企業もあります。そこまで経費をかけることができず、また、日ごろ忙しい駐在員がなかなか購買部門まで目が 届かないという企業も多いかと思いますが、いま一度、特にインドネシアでは、購買もコスト削減の重要なカギであることを認識し、彼らの仕事を見直してみて はいかがでしょうか?
Author : セルナジャヤ T
Posted: 2006-11-17 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第20回 「購買」もコスト削減のカギ
会社経営においてコスト削減は“重要なカギ”といわれ、各企業は“無駄”をなくすために積極的にコスト削減に取り組んでいるかと思います。そのコスト削減 対策として、まず挙げられるのが「人件費の削減」だと思います。先日、2007年のジャカルタ特別州の最低賃金が前年比9.95%増の月額90万560ル ピアに決定されましたが、賃金は上昇する一方で、イントネシアの人材には“1人2人分”の仕事をこなすことを期待できず、現実には「人件費削減」=「コス ト削減」と思うようにいかない場合が多いのではないでしょうか?
◇取引先と価格水増し、監視強化で大幅効果
某大手日 系企業は、あらゆる手を尽くしてコスト削減に取り組み、数年かけて人員を大幅に削減しましたが、成果はさほど出ず、むしろ逆効果になっていると気付いたそ うです。最終的に「購買」に目を向け、購買資料を徹底的に隅々までチェックしたところ、次々と“偽りの価格”が発覚。グループ全体でそれらを照合すると、 その損害額は会社経営を揺るがさんばかりの巨額になっていたそうです。さらに突き詰めると、担当者が取引先と共謀して正規価格に水増しし、取引先の担当者 はその購買担当者からキックバックを得ていたことが分かりました。即刻、その購買担当者らを解雇し、高給で優秀な人材を新たに採用し、日本人も日ごろから 購買部を監視することにしました。この結果、人件費の削減以上に効率的に大幅なコスト削減に成功し、起きてはならない巨額損害に歯止めを掛けることができ たそうです。
別の某大手日系企業では、同じ材料が日本で購入するよりもインドネシアでは高く購入されており、「そんなことは有り得ない!」と憤慨した社長が自ら購買を監督し、あるべき購買の姿に指導されているという話も聞いたことがあります。
このように、インドネシアでは購買担当がサプライヤーと共謀して価格をごまかしていたなど不正の話がよくあり、「購買担当の信頼性」を悩みの一つとして挙 げる企業も多いのではないでしょうか? 実際に、購買担当者の求人依頼を受ける際には、経理や人事担当に次いで「信頼のできる人」「不正をしない人」「正 義感のある人」というリクエストをよくを受けます。
「ローカルの担当者だけには任せられない」と、日本から派遣された専門の駐在員や現 地採用の日本人を購買責任者として配置している企業もあります。そこまで経費をかけることができず、また、日ごろ忙しい駐在員がなかなか購買部門まで目が 届かないという企業も多いかと思いますが、いま一度、特にインドネシアでは、購買もコスト削減の重要なカギであることを認識し、彼らの仕事を見直してみて はいかがでしょうか?
時事速報インドネシア便掲載