第73回 「従業員の福利厚生」
Author : セルナジャヤ M
Posted: 2011-08-16 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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◇ジャカルタ市内と郊外(ブカシ・カラワンなど)は異なる?
ジャカルタ市内においては、諸手当を含んだ基本給でまとめ支給する企業が過半数を占めるのに対し、郊外のメーカー企業では少なくとも「食事手当」と「通勤手当」を基本給とは別途に支給する企業が圧倒的多数を占めるようです。
その理由として、メーカー企業では最低賃金で就労する作業員が従業員全体の多数を占め、基本給だけでは日々の食事や通勤費用を捻出することが難しいために、手当を別途設け、それを全社員共通の手当としていることがあるようです。
◇食事手当の現在の傾向は?
賃金として支給する場合、1万5000ルピア/日が現在の相場として考えられています。ただし、賃金での支給であると、昼食をとらずにその分を生活費に回 そうとする従業員も出てくるため、従業員の体調を管理するために「敷地内に食堂を設け支給」または「ケータリングによる支給」とする現物支給が一般的で す。
◇通勤手当は?
日本では通勤距離に応じ支給額が異なるのが一般的ですが、当地ではそれを測ることが難しいとされるため、賃金で支給する場合は一律での支給が一般的のようです。ただし、役職レベルで分けられるケースも多く、以下が現在の傾向とされています。
・非役職者(作業員~スタッフ)…2万ルピア/日
・役職者(スーパーバイザー以上)…100万ルピア~400万ルピア/月
ただし、マネジャークラス以上へ車を貸与する企業も特に郊外のメーカー企業では多く、その場合は上記通勤費を支給せず、代わって「車の貸与と併せ、ガソリン代、高速料金、車のメンテナンス費」を会社で負担とする傾向があるようです。
◇遅刻率削減を図る皆勤手当
一般交通機関の整備の遅れによる渋滞の多いインドネシアでは、朝の出勤時間に遅れる従業員も相応に多くいます。それを軽減させるためにと「皆勤手当」を設けたところ、遅刻率が大幅減となった企業も多いのではないでしょうか。一般の相場としては以下となるようです。
・遅刻なく皆勤であった場合…10万ルピア/月
・遅刻および(病欠を含む)欠勤が生じた場合…1日につき2万ルピア消滅
手当の設定は企業の自由とされます。そのため「月の固定支給」ではなく「出勤日数に比例」させることで、計算を行う担当者の手間はかかりますが、従業員の出勤意欲を高めることにつながることは想像に難くはありません。
ただ手当を与えるだけでなく、その効果を求めることも必要なのではないでしょうか。
Author : セルナジャヤ M
Posted: 2011-08-16 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第73回 「従業員の福利厚生」
従業員に対する福利厚生は企業により様々ですが、主に「食事手当」と「通勤手当」を軸とし、その他に「役職手当」「能力手当」「皆勤手当」などを設ける企業もあります。◇ジャカルタ市内と郊外(ブカシ・カラワンなど)は異なる?
ジャカルタ市内においては、諸手当を含んだ基本給でまとめ支給する企業が過半数を占めるのに対し、郊外のメーカー企業では少なくとも「食事手当」と「通勤手当」を基本給とは別途に支給する企業が圧倒的多数を占めるようです。
その理由として、メーカー企業では最低賃金で就労する作業員が従業員全体の多数を占め、基本給だけでは日々の食事や通勤費用を捻出することが難しいために、手当を別途設け、それを全社員共通の手当としていることがあるようです。
◇食事手当の現在の傾向は?
賃金として支給する場合、1万5000ルピア/日が現在の相場として考えられています。ただし、賃金での支給であると、昼食をとらずにその分を生活費に回 そうとする従業員も出てくるため、従業員の体調を管理するために「敷地内に食堂を設け支給」または「ケータリングによる支給」とする現物支給が一般的で す。
◇通勤手当は?
日本では通勤距離に応じ支給額が異なるのが一般的ですが、当地ではそれを測ることが難しいとされるため、賃金で支給する場合は一律での支給が一般的のようです。ただし、役職レベルで分けられるケースも多く、以下が現在の傾向とされています。
・非役職者(作業員~スタッフ)…2万ルピア/日
・役職者(スーパーバイザー以上)…100万ルピア~400万ルピア/月
ただし、マネジャークラス以上へ車を貸与する企業も特に郊外のメーカー企業では多く、その場合は上記通勤費を支給せず、代わって「車の貸与と併せ、ガソリン代、高速料金、車のメンテナンス費」を会社で負担とする傾向があるようです。
◇遅刻率削減を図る皆勤手当
一般交通機関の整備の遅れによる渋滞の多いインドネシアでは、朝の出勤時間に遅れる従業員も相応に多くいます。それを軽減させるためにと「皆勤手当」を設けたところ、遅刻率が大幅減となった企業も多いのではないでしょうか。一般の相場としては以下となるようです。
・遅刻なく皆勤であった場合…10万ルピア/月
・遅刻および(病欠を含む)欠勤が生じた場合…1日につき2万ルピア消滅
手当の設定は企業の自由とされます。そのため「月の固定支給」ではなく「出勤日数に比例」させることで、計算を行う担当者の手間はかかりますが、従業員の出勤意欲を高めることにつながることは想像に難くはありません。
ただ手当を与えるだけでなく、その効果を求めることも必要なのではないでしょうか。
時事速報インドネシア便掲載