第74回 「従業員の医療について」
Author : セルナジャヤ 森
Posted: 2011-09-16 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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◇ジャムソステック/JAMSOSTEK(社会保障)
従業員を抱える企業はジャムソステックに加入する義務があります。通常は会社の総務担当者などが、国営企業ジャムソステック社へ従業員一人ひとりの加入手続きを行います。ジャムソステックはJKK(労災補償)、JKM(死亡補償)、JHT(年金/老齢保障)、JPK(健康保障)の四つのプログラムから成り、うちJPKが医療をカバーするプログラムとなります。ジャムソステックカードを政府が指定する病院で提示すれば、扶養家族(子供3人まで)を含む治療および投薬を政府負担で受けることができます。ただし、低水準の治療しか受けることができず「治療が失敗した」「薬の効き目がない」など国民の信用は薄いとされるため、以下の医療プログラムをとられる会社が多いです。なお、上記JPK以上の保障がなされるプログラムを会社が設ける場合、JPKを排除することが認められています。
◇民間の医療保険
医療保険を利用する最大のメリットは「従業員一人ひとりの面倒な医療対応を外部に委託する」ことにあります。医療保険を扱う保険会社は外資系、地場系とありますが、どの保険会社がどういったプログラムを持っているかなど、保険ブローカー/エージェントと相談の上、適したプログラムを持つ保険会社を紹介してもらうことが適切と考えます。
ただし、プログラムによってはカバーされない治療(目、歯、出産など)がありますので確認が必要です。また従業員(保険加入者)数が50人未満の場合、保険会社によっては対応を拒む、または高額な保険料金を請求することもあるらしく、従業員が多くなるまでは以下の対応を取られる企業が多いようです。
◇年間の限度額を定めた医療手当
医療にかかった場合、まずは従業員自身で費用を支払い、後日、請求書を会社に提出し、給料と一緒に費用分が精算されるという実費精算制が一般的です。会社によって規定は自由で、目、歯、出産といった比較的費用が高い治療をカバーすることができれば、従業員にとって満足度の高いプログラムとなります。
「月給(基本給/固定給とされるかは会社により異なる)の○カ月分までを会社が負担」とされるか、「役職につき、○○ルピアまで会社が負担」とされるケースが一般的ですが、前者が多いようです。もちろん、年間の負担額を超えた場合は従業員の負担となりますし、高額とされる入院では数日間でそれを超えることもありますので「通院」と「入院」を別個に設けられる企業もあるようです。
例)通院は基本給1カ月分まで、入院は基本給2カ月分まで
なお、医療の対象者を「従業員のみ」とされるか「扶養家族(子供3人まで)も含む」とされるかは企業によって異なります。
国の医療制度が不完全なため医療にかかる予算は高額となりますが、従業員に安心して仕事に専念してもらうためにも、十分に検討をする必要があると考えます。
時事速報インドネシア便掲載
Author : セルナジャヤ 森
Posted: 2011-09-16 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第74回 「従業員の医療について」
会社を設立される企業ご担当者より、インドネシアの医療について尋ねられることが多くあります。あくまでそれぞれの会社で規定は異なりますが、一般的な医療事情についてお話ししてみたいと思います。◇ジャムソステック/JAMSOSTEK(社会保障)
従業員を抱える企業はジャムソステックに加入する義務があります。通常は会社の総務担当者などが、国営企業ジャムソステック社へ従業員一人ひとりの加入手続きを行います。ジャムソステックはJKK(労災補償)、JKM(死亡補償)、JHT(年金/老齢保障)、JPK(健康保障)の四つのプログラムから成り、うちJPKが医療をカバーするプログラムとなります。ジャムソステックカードを政府が指定する病院で提示すれば、扶養家族(子供3人まで)を含む治療および投薬を政府負担で受けることができます。ただし、低水準の治療しか受けることができず「治療が失敗した」「薬の効き目がない」など国民の信用は薄いとされるため、以下の医療プログラムをとられる会社が多いです。なお、上記JPK以上の保障がなされるプログラムを会社が設ける場合、JPKを排除することが認められています。
◇民間の医療保険
医療保険を利用する最大のメリットは「従業員一人ひとりの面倒な医療対応を外部に委託する」ことにあります。医療保険を扱う保険会社は外資系、地場系とありますが、どの保険会社がどういったプログラムを持っているかなど、保険ブローカー/エージェントと相談の上、適したプログラムを持つ保険会社を紹介してもらうことが適切と考えます。
ただし、プログラムによってはカバーされない治療(目、歯、出産など)がありますので確認が必要です。また従業員(保険加入者)数が50人未満の場合、保険会社によっては対応を拒む、または高額な保険料金を請求することもあるらしく、従業員が多くなるまでは以下の対応を取られる企業が多いようです。
◇年間の限度額を定めた医療手当
医療にかかった場合、まずは従業員自身で費用を支払い、後日、請求書を会社に提出し、給料と一緒に費用分が精算されるという実費精算制が一般的です。会社によって規定は自由で、目、歯、出産といった比較的費用が高い治療をカバーすることができれば、従業員にとって満足度の高いプログラムとなります。
「月給(基本給/固定給とされるかは会社により異なる)の○カ月分までを会社が負担」とされるか、「役職につき、○○ルピアまで会社が負担」とされるケースが一般的ですが、前者が多いようです。もちろん、年間の負担額を超えた場合は従業員の負担となりますし、高額とされる入院では数日間でそれを超えることもありますので「通院」と「入院」を別個に設けられる企業もあるようです。
例)通院は基本給1カ月分まで、入院は基本給2カ月分まで
なお、医療の対象者を「従業員のみ」とされるか「扶養家族(子供3人まで)も含む」とされるかは企業によって異なります。
国の医療制度が不完全なため医療にかかる予算は高額となりますが、従業員に安心して仕事に専念してもらうためにも、十分に検討をする必要があると考えます。
時事速報インドネシア便掲載