第89回 「動き始める日本人現地採用2」
Author : セルナジャヤ 森
Posted: 2012-12-20 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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海外就職を目指す求職者は隣国のシンガポールやタイに比べ少ないとされていたインドネシアでも、徐々に変化が生まれてきています。今回は海外就職を目指す若者が急増している日本の変化について解説します。
◇日本のメディアが新興国に注目
日本と歴史的に関係が深いインドネシアですが、これまで日本国民の認知度は低いとされていました。多くの日本人には「テロ事件」「災害」など負のイメージや、「ジャングルが多い国」といった印象しかなかったのが実際のところかもしれません。
それが現在では、日本の生命線とされる製造業が長引く不況や円高などにより、海外、とりわけ新興国へ進出する事態へと進展したため、次第に新聞記事やテレ ビ番組でも新興国の経済にフォーカスした報道が増えています。そんな中、インドネシアも「経済都市ジャカルタ」や「日本企業のインドネシア進出」と取り上 げられる機会が増えてきました。
そうした風潮の変化により、日本の若者が海外就職を果たす一連のドキュメンタリー番組もメディアにより制作され、これまで日本国内での就職に熱を入れていた若者たちに新たなブームが沸き起こっているようです。
◇東南アジア就職
海外就職がブームとなりつつある中、今年に入って2度ほど日本の若者たちが“インドネシア就職ツアー”と題して団体でジャカルタに約1週間滞在し、ジャカ ルタ周辺での面接活動や企業訪問を行いました。結果、複数の就職決定者も誕生しています。一人だけでは訪れにくいインドネシアも、団体となると不安は薄 れ、面接対応の予習を共に行うなど、その様子はさながら「呉越同舟」でありました。
◇日本での就職説明会
筆者は今年11月に も日本全国で就職説明会を実施し、合計179人が参加してくださいました。参加者の多くは「日本が好景気になるまで海外で経験を積みたい」「もう日本に未 練はない」「今、海外で働かないと後悔する」と真剣な面持ちで筆者の話を聞いてくださいました。中には、海外を飛び回る駐在員に憧れて商社に入社するも、 結局その「海外行き切符」を手に入れるのは一部の社員だけで、出向者の多くは40~50代の管理者クラスという状況に飽き足らず、「直接海外で仕事を探 し、将来必ず日本企業で必要とされる海外経験を得たい」と考え、参加してくださった方もいました。
◇日本からの求職者が急増
今年も日本からの求職者の数は前年以上に増え続けています。これまでは、インドネシア語を学んだことがある、父親がジャカルタに駐在していたなど、何かし らインドネシアに関連のある求職者が多かったのですが、リーマン・ショック以後、日本のメディアでインドネシア経済が取り上げられる機会が増えたために、 求職登録者の増加が起きたと考えます。
これまでは日本人を求める企業が増え続けるも肝心な“人”がいなかったインドネシアに、この“セカシュー(世界で就職)”ブームが新たな旋風を巻き起こすのでしょうか。
(時事速報インドネシア便掲載)
Author : セルナジャヤ 森
Posted: 2012-12-20 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第89回 「動き始める日本人現地採用2」
第89回 「動き始める日本人現地採用 その2」海外就職を目指す求職者は隣国のシンガポールやタイに比べ少ないとされていたインドネシアでも、徐々に変化が生まれてきています。今回は海外就職を目指す若者が急増している日本の変化について解説します。
◇日本のメディアが新興国に注目
日本と歴史的に関係が深いインドネシアですが、これまで日本国民の認知度は低いとされていました。多くの日本人には「テロ事件」「災害」など負のイメージや、「ジャングルが多い国」といった印象しかなかったのが実際のところかもしれません。
それが現在では、日本の生命線とされる製造業が長引く不況や円高などにより、海外、とりわけ新興国へ進出する事態へと進展したため、次第に新聞記事やテレ ビ番組でも新興国の経済にフォーカスした報道が増えています。そんな中、インドネシアも「経済都市ジャカルタ」や「日本企業のインドネシア進出」と取り上 げられる機会が増えてきました。
そうした風潮の変化により、日本の若者が海外就職を果たす一連のドキュメンタリー番組もメディアにより制作され、これまで日本国内での就職に熱を入れていた若者たちに新たなブームが沸き起こっているようです。
◇東南アジア就職
海外就職がブームとなりつつある中、今年に入って2度ほど日本の若者たちが“インドネシア就職ツアー”と題して団体でジャカルタに約1週間滞在し、ジャカ ルタ周辺での面接活動や企業訪問を行いました。結果、複数の就職決定者も誕生しています。一人だけでは訪れにくいインドネシアも、団体となると不安は薄 れ、面接対応の予習を共に行うなど、その様子はさながら「呉越同舟」でありました。
◇日本での就職説明会
筆者は今年11月に も日本全国で就職説明会を実施し、合計179人が参加してくださいました。参加者の多くは「日本が好景気になるまで海外で経験を積みたい」「もう日本に未 練はない」「今、海外で働かないと後悔する」と真剣な面持ちで筆者の話を聞いてくださいました。中には、海外を飛び回る駐在員に憧れて商社に入社するも、 結局その「海外行き切符」を手に入れるのは一部の社員だけで、出向者の多くは40~50代の管理者クラスという状況に飽き足らず、「直接海外で仕事を探 し、将来必ず日本企業で必要とされる海外経験を得たい」と考え、参加してくださった方もいました。
◇日本からの求職者が急増
今年も日本からの求職者の数は前年以上に増え続けています。これまでは、インドネシア語を学んだことがある、父親がジャカルタに駐在していたなど、何かし らインドネシアに関連のある求職者が多かったのですが、リーマン・ショック以後、日本のメディアでインドネシア経済が取り上げられる機会が増えたために、 求職登録者の増加が起きたと考えます。
これまでは日本人を求める企業が増え続けるも肝心な“人”がいなかったインドネシアに、この“セカシュー(世界で就職)”ブームが新たな旋風を巻き起こすのでしょうか。
(時事速報インドネシア便掲載)