第101回 「2014年の祝日」
Author : セルナジャヤ 蛇草
Posted: 2013-12-13 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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今年も残すところ数週間となりました。「師走」とは言 うものの、日本と違って特別な忙しさを感じない方も多いのではないでしょうか。この時期になりますと各社とも次年度の営業カレンダーも確定していることで しょう。自社のカレンダーを配ったり、頂いたりといった機会も多いことと思います。来年のカレンダーをご覧になって、今年よりも祝日が1日増えたことには お気づきでしょうか。5月1日がレイバーデーとして正式に祝日となりました。工業団地で勤務されている方にとってはいまさらという感が否めないかもしれませんが、ジャカルタ市内で勤務する筆者には朗報です。
さて、これでインドネシアの祝日(政府指定休日を除く)と日本の祝日(振り替え休 日と国民の休日は除く)は同数となりました。インドネシアは祝日の多い国だと漠然と感じていらっしゃる方もいるかもしれませんが、レイバーデーを含めての 同数です。内訳を見てみますと、正月・旧正月・独立記念日・レイバーデー以外の11日は宗教に関連する祝日となっており、さすがは多民族国家のインドネシ アというところでしょうか。国民の多くがイスラム教を信仰しているとはいえ、イスラム教が国教というわけでもなく、他宗教にとって重要な日も祝日として認 めてしまうところは、とても懐の深い国だと言えるでしょう。日本のような振り替え休日が存在しないのは、宗教にかかわる祝日が多く振り替えをすることに意 味がないことも大きいのかもしれません。
日本にはないインドネシアの制度としては、ご存じのように一斉有給休暇日(Cuti Bersama)が挙げられます。会社としては休日にする義務はありません。ただ、製造業など休む人が多いと製造ラインに影響が出てくる業種では、会社と して休日にし、代わりに直近の土曜日などに営業する場合が多いようです。製造業以外の場合、一斉有給休暇日の扱いは会社によってさまざまなようで、通常通 り出勤の会社もあれば、休日にする会社もあるようです。
上記とは別にジャカルタ首都特別州政府の決定により休日となる場合があります。 このような州政府指定の休日(Libur Bersama)の場合、会社として従う義務があります。例えば前回のジャカルタ知事選挙の場合には投票日が休 日となりました。来年4月の議会総選挙、7月の大統領選挙の投票日も休日になると言われています。また義務ではありませんでしたが、直近では、インド・ヒ ンズー教の新年祭にあわせて、インド・ヒンズー教の従業員に対してのみ11月4日を特別休暇とすることを推奨する通達が、首都圏の企業に対してありまし た。特定の宗教の信徒に対してのみという指定もインドネシアならではの部分です。
祝日ひとつとってみても、インドネシアと日本の文化の 違いが感じられるものです。「正月」は日本人にとって欠かせない行事のひとつですが、こちらでは1月1日が祝日というだけで特別なことはありません。新年 を祝う気持ちはどの民族・宗教でも同じですが、いつをもって新年とみなすかについては、それぞれの宗教・民族が持つ暦に従うことになります。残念ながらイ ンドネシアでは日本にいるような国全体での「お正月気分」を味わうことはできませんが、自分自身の中で気持ちに区切りをつけ、新しい気持ちで来年もインド ネシアで頑張っていきたいものです。
(時事速報インドネシア便掲載)
Author : セルナジャヤ 蛇草
Posted: 2013-12-13 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア
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第101回 「2014年の祝日」
第101回 「2014年の祝日」今年も残すところ数週間となりました。「師走」とは言 うものの、日本と違って特別な忙しさを感じない方も多いのではないでしょうか。この時期になりますと各社とも次年度の営業カレンダーも確定していることで しょう。自社のカレンダーを配ったり、頂いたりといった機会も多いことと思います。来年のカレンダーをご覧になって、今年よりも祝日が1日増えたことには お気づきでしょうか。5月1日がレイバーデーとして正式に祝日となりました。工業団地で勤務されている方にとってはいまさらという感が否めないかもしれませんが、ジャカルタ市内で勤務する筆者には朗報です。
さて、これでインドネシアの祝日(政府指定休日を除く)と日本の祝日(振り替え休 日と国民の休日は除く)は同数となりました。インドネシアは祝日の多い国だと漠然と感じていらっしゃる方もいるかもしれませんが、レイバーデーを含めての 同数です。内訳を見てみますと、正月・旧正月・独立記念日・レイバーデー以外の11日は宗教に関連する祝日となっており、さすがは多民族国家のインドネシ アというところでしょうか。国民の多くがイスラム教を信仰しているとはいえ、イスラム教が国教というわけでもなく、他宗教にとって重要な日も祝日として認 めてしまうところは、とても懐の深い国だと言えるでしょう。日本のような振り替え休日が存在しないのは、宗教にかかわる祝日が多く振り替えをすることに意 味がないことも大きいのかもしれません。
日本にはないインドネシアの制度としては、ご存じのように一斉有給休暇日(Cuti Bersama)が挙げられます。会社としては休日にする義務はありません。ただ、製造業など休む人が多いと製造ラインに影響が出てくる業種では、会社と して休日にし、代わりに直近の土曜日などに営業する場合が多いようです。製造業以外の場合、一斉有給休暇日の扱いは会社によってさまざまなようで、通常通 り出勤の会社もあれば、休日にする会社もあるようです。
上記とは別にジャカルタ首都特別州政府の決定により休日となる場合があります。 このような州政府指定の休日(Libur Bersama)の場合、会社として従う義務があります。例えば前回のジャカルタ知事選挙の場合には投票日が休 日となりました。来年4月の議会総選挙、7月の大統領選挙の投票日も休日になると言われています。また義務ではありませんでしたが、直近では、インド・ヒ ンズー教の新年祭にあわせて、インド・ヒンズー教の従業員に対してのみ11月4日を特別休暇とすることを推奨する通達が、首都圏の企業に対してありまし た。特定の宗教の信徒に対してのみという指定もインドネシアならではの部分です。
祝日ひとつとってみても、インドネシアと日本の文化の 違いが感じられるものです。「正月」は日本人にとって欠かせない行事のひとつですが、こちらでは1月1日が祝日というだけで特別なことはありません。新年 を祝う気持ちはどの民族・宗教でも同じですが、いつをもって新年とみなすかについては、それぞれの宗教・民族が持つ暦に従うことになります。残念ながらイ ンドネシアでは日本にいるような国全体での「お正月気分」を味わうことはできませんが、自分自身の中で気持ちに区切りをつけ、新しい気持ちで来年もインド ネシアで頑張っていきたいものです。
(時事速報インドネシア便掲載)